クラス落ちを知ったのは、旅行先の踊り子号の中でした
中学受験5年生のある日。
試験が終わったあと、我が家では気分転換も兼ねて温泉旅行を計画していました。
ちょうど踊り子号に乗って、家族で向かう道中だったか帰るときだったか・・・
その車内で、クラス分けの結果が出ていることに気づき、スマホで確認しました。
結果は――クラス落ち。
実は、それまで娘は一番上のクラスにいました。
けれど5年生になって単元が重くなってきた頃から、テストではいつもギリギリの点数。
一度はクラス維持の点数を下回り、次のテストで持ち直す…というアップダウンを繰り返していて、
「そろそろ下がるかもしれない」とは感じていました。
でも、いざ「下がった」と現実を突きつけられると、
私の中で何かがぷつんと切れてしまいました。
踊り子号の中で怒鳴る私、黙りこむ娘
「なんで落ちたの?」
「この前“今回は大丈夫”って言ってたじゃない」
気がつけば、私は口調も声もどんどん強くなっていました。
周囲に聞こえていたかどうかはわかりません。
でも以前、近所の人から「昨日、大きな声が聞こえたけど…」と声をかけられたこともある私です。
たぶん、聞こえていたと思います。
娘は、ただ黙っていました。
目に涙をためながら、窓の外を見つめていました。
ケアレスミスは実力だと怒鳴った私の本音
今回のクラス落ちの原因は、
社会の漢字間違いや、算数のケアレスミスでした。
問題を見直すと、どれも「正答率80%以上」の基本問題。
多くの子が正解しているような問題ばかり。
娘は、「ついうっかり」みたいなじとを言いました。
その瞬間、私の中で怒りが爆発しました。
「ついうっかりじゃない。それがあんたの実力だから!!」
…言ってしまいました。
今思えば、追い詰められていたのは私のほうだった
クラスが落ちたこと、ケアレスミスが続いていたこと。
そのどれもが「子どもが努力していない証拠」のように見えていた私。
でも本当は――
追い詰められていたのは、子どもじゃなくて、親の私自身でした。
あのとき怒鳴ってしまったのは、
子どもの失敗に失望したからではなく、
「このままで大丈夫なのか?」という不安を、子どもにぶつけてしまっただけでした。
クラス落ちから浮上するまで、長かった…
この後、娘の成績が上向くまでにはかなりの時間がかかりました。
それは、また別の記事で書こうと思います。
でも今だから言えるのは、
**「あの怒鳴り声が、子どもの自信を1枚はがしてしまったかもしれない」**ということ。
最後に
「ケアレスミスが多くて…」という悩み、
「またクラスが下がった…」という焦り、
「怒鳴ってしまった…」という後悔。
どれも、私ひとりのものじゃなかったんだと思えるようになった今、
あのときの経験を、そっとここに残しておきます。
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